特集 内科診療にガイドラインを生かす
消化器疾患
胆石症
田妻 進
1
1広島大学病院総合内科・総合診療科
pp.198-204
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107104
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
胆石症の診断・治療に関する国内外のガイドラインとしては,日本,米国,欧州から学会を中心に作成されたガイドラインが発行されているが,前二者は胆囊結石に関するものも主体的に含まれているが,後者は総胆管結石に特化している(表1)1~3).日本消化器病学会が2009年に発表した“胆石症診療ガイドライン”はMinds版診療ガイドラインの手引き「2007年版」に準じて作成されており,クリニカル・クエスチョン(CQ)の設定とその回答および解説の形式で作成されている.画像による症例提示もあり内容が充実しているうえに,ステートメントはデータベース化された文献に基づいておりEBMに準拠している.推奨グレードはオリジナルな手法で提案されているが,医療施設の環境に応じた対応を推奨する斬新なスタイルで示されている点は柔軟性がある.国内と海外別にエビデンスの有無をレベル付で表示し,保険適用についても明記している点など,日本国内で活用する際にきわめて有用であることは明らかである.一方,米国からのガイドラインは総説的で解説書様式であるため,診療室での実務には事前に読み込んでおくことが必要である.しかしながら診療実態の変遷を熟知するにはきわめて価値ある手引書である.
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