診断のポイント
胆石症
三輪 清三
1
1千葉大内科
pp.1011-1013
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200900
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主要症候を把握しながら検査を
胆石症は典型的な発作症状でもあれば診断は容易であるが,その症状が非定型的であつたり,あるいはまつたく無症状で経過するところのいわゆるSilent Stoneもあるので,その診断はなかなかむずかしいことがある。生前まつたく無症状で,病理解剖ではじめて結石が発見される場合もあるが,このような場合は臨床的には胆石症とよぶことは不適当であろう。また胆石症はその結石の存在部位によつても症状が異なることがあるので,胆石症の診断には結石の存在部位的診断も必要となってくる。胆石症の診断にあたつては,まずその主要症候たる,疼痛,発熱,黄疸などの症候をよく把握し,つづいて諸検査,すなわち十二指腸ゾンデ,X線検査,肝機能検査,腹腔鏡検査,アイソトープ利用による検査などによりその診断を確実にするようにつとめなくてはならない。
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