特集 胃食道逆流症(GERD)―“胸やけ”を診療する
疫学と病態
胃食道逆流と食道知覚過敏の機序
岩切 勝彦
1,2
,
川見 典之
2
,
坂本 長逸
2
1日本医科大学千葉北総病院消化器内科
2日本医科大学消化器内科学
pp.777-780
発行日 2013年5月10日
Published Date 2013/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106782
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ポイント
◎胃酸逆流の多くは,嚥下とは関係なく下部食道括約筋(LES)が突然弛緩し発生する.この現象は一過性LES弛緩と呼ばれ,「おくび」のメカニズムでもある.
◎低LES圧時に発生する胃酸逆流は稀であり,健常者や軽症逆流性食道炎ではほとんどみられない.
◎胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)患者では扁平上皮層の細胞間隙が拡大し,知覚神経が刺激されやすい状態にある.
◎酸の侵害受容体はTRPV1であるが,GERD患者ではTRPV1の発現増加が報告され,知覚過敏状態にある.
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