連載 実は日本生まれの発見・3
IgG4関連疾患―21世紀に(日本で)確立された新たな疾患概念
梅原 久範
1
1金沢医科大学血液免疫内科学講座
pp.365
発行日 2013年3月10日
Published Date 2013/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106715
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IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は,21世紀に日本で生まれた新たな疾患概念で,血清IgG4高値と病変部への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする.その発見の端緒は,2001年にHamanoらが硬化性胆管炎(自己免疫性膵炎)における血清IgG4高値とIgG4陽性形質細胞浸潤をN Engl J Medに報告したことに始まる.その後,同様の特徴がMikulicz病,Reidel甲状腺炎,Küttner腫瘍,後腹膜線維症,炎症性偽腫瘍と呼ばれていた疾患群や,間質性腎炎,間質性肺炎などの一部にも認められた.
その後,厚生労働省難治性疾患克服研究事業IgG4関連疾患研究梅原班(班長:金沢医科大学血液免疫内科 梅原久範,班員66名)と岡崎班(班長:関西医科大学第3内科 岡崎和一,班員55名)の2班合同による詳細な解析によりIgG4関連疾患としての概念が確立した1,2).
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