特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー
感染症
結核
倉島 篤行
1
1結核予防会複十字病院
pp.128-133
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106617
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結核症は,ほぼヒトのみを宿主とする結核菌が飛沫核伝搬(空気伝搬)で感染して発病する伝染性の疾患であり,現行のわが国の感染症法では診断したら直ちに届け出が必要な二類感染症である.罹患臓器は肺が圧倒的であるが,菌が血中に入り散布,全身性に進展することもある.
感染と発病は異なり,感染者の約1ないし1.5割が数カ月~数十年という潜伏期間の後,発病する.HIV感染があると著しく易感染性になるため,アジア,アフリカを主に増加を続け全世界で年間約930万人の新規発病があると推定されている.わが国の罹患率は,2011年で人口10万対17.7(実数で約2.3万人)に下がってきたが,なお米国などの約5倍のレベルである.
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