特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー
代謝・内分泌
糖尿病―薬剤・治療目標・評価法
渥美 義仁
1
1永寿総合病院糖尿病臨床研究センター
pp.110-115
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106614
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糖尿病は,インスリン分泌不全あるいはインスリン抵抗性を基礎病態とした代謝疾患である.糖尿病のほとんどは,インスリン抵抗性とインスリン分泌不全を基礎として緩徐に進行する2型糖尿病である.免疫異常などにより急速にインスリン分泌が枯渇し,インスリン治療が欠かせなくなる1型糖尿病は糖尿病全体の数%である.この2つの型以外に血糖値が高くなる疾患として,遺伝性疾患,膵臓疾患,ステロイド使用,甲状腺機能亢進症,副腎疾患,肝臓疾患などがあり,「そのほかの糖尿病」に分類されている.これ以外の分類として,妊娠期間中のみ血糖値が上昇し,妊娠終了とともに高血糖状態が改善する妊娠糖尿病がある.このような分類も,基礎研究や大規模な疫学研究を基に変遷してきている.
わが国の2型糖尿病の患者数は,約890万人(2007年の国民健康・栄養調査)と推定され,増大を続けている.本稿では,このように増大してきた糖尿病におけるブレイクスルーとして,インスリンに始まる治療薬の進歩,血糖コントロールの目標,血糖変動の把握としての血糖自己測定(SMBG)と持続血糖モニタリング(CGM),の3点を取り上げ,それぞれ概説する.
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