特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー
代謝・内分泌
脂質異常症
木下 誠
1
,
林 洋
2
1帝京大学医学部内科学講座
2東京有明医療大学看護学部看護学科
pp.116-120
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106615
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脂質異常症は,つい最近まで高脂血症(さらにそれ以前は高脂質血症)と呼ばれていた.現在,血清脂質値の異常は動脈硬化症の危険因子として注目されており,その主体は高LDLコレステロール(LDL-C)血症,高トリグリセライド血症,低HDLコレステロール(HDL-C)血症である.したがって,動脈硬化症の危険因子としての血清脂質値異常を一言で表す言葉として,「高」脂血症では相応しくないため脂質異常症と表現されるようになった.
血清脂質はほとんどが血漿リポ蛋白に存在していることから,脂質異常症はリポ蛋白異常症とも考えられる.第2次世界大戦後の血清脂質代謝の研究はリポ蛋白代謝の研究で始まり,その成果が内科診療に順次取り入れられていき,動脈硬化症の診療において一つの頂点に達した.
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