今月の主題 糖尿病診療の現況
糖尿病の治療と患者指導
糖尿病治療の目標
平田 幸正
1
1東京女子医科大学・糖尿病センター
pp.26-27
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220754
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糖尿病のある人生の充実へ向かって
糖尿病治療の目標は,糖尿病のある人生をきわめて意義のあるものとして送ることができるということに焦点があてられると思われる.すなわち,心身ともに健康な,活動的な人生を,健常者と変わることなく長期間保持するというところに目標があるといえる.このことはquality of lifeを高め,持続させる,あるいは,よりよいquality of lifeを求めるという言葉でいい表すことができる.
すでに1925年(大正15年),R.D.Lawrenceは,"The Diabetic Life"という糖尿病患者教育用の本を発刊し,その緒言において,インスリンの発見された今日,患者は,糖尿病に関するいささかの知識を身につけ,医師とよく協力すれば,もはや糖尿病は死の病気ではない時代に入ったといえると述べた.
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