今月の主題 生体防御と感染症
よくみられる免疫機能低下状態と感染症
糖尿病と感染症
渥美 義仁
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1994-1997
発行日 1985年11月10日
Published Date 1985/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220017
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糖尿病患者の予後を左右する合併症は時代とともに大きく変化し,インスリン実用以前に多かった感染症による死亡は,インスリンと抗生物質が広く用いられるようになってから著しく減つている.済生会中央病院における1953年から1980年までの糖尿病患者の剖検210例でも,最初の10年間には感染症死が44%と最多死因であったが,1973年以降では6%と激減している(表1).
しかしながら,糖尿病患者の日常生活の面からみると,今日でも肺炎,尿路感染症,結核,足壊疽などの感染症は入院を要したり,入院期間を長くする原因として,いまだに大きな問題である.
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