連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・8
急速進行性の皮膚硬化
岡田 正人
1
,
衛藤 光
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ)
2聖路加国際病院皮膚科
pp.2008-2013
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106540
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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回の患者さんは,急速進行性の皮膚硬化を主訴に来院された60歳の男性です.約1年前から右手指が腫脹し,その後に右腕や左手にも腫脹が広がりましたが,半年ほどは特に進行はみられなかったとのことです.来院2カ月前から徐々に腫脹が増悪し,両肩や両膝の疼痛も生じるようになり,また腹部や前胸部の皮膚にも色素変化を生じ一部硬化してきたため自宅近くの総合病院を受診しました.そのころから,レイノー(Raynaud)現象の自覚もあったようです.結局,1カ月ほど前に膠原病科にて有効な治療はないと告げられ,2カ月後の再診を勧められましたが,その後も皮膚硬化の進行が著しく手指の拘縮も進み日常生活に支障があるとのことで,当院を受診しました.血液・尿検査,胸部X線写真,心電図などを施行し(表1),関節炎も合併していたためNSAIDを処方しました.2週間後の再診時には大腿後面に皮膚硬化が広がり,上肢の浮腫性変化も増悪あり,皮膚硬化指数(mRSS:modified Rodnan's Skin Score)も20から28へと悪化しており入院治療の方針となりました.
アレルギー膠原病科医 診断は皮膚びまん全身性硬化症でいいのでしょうか.
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