今月の主題 連携して診る腎疾患―タイムリーな紹介から患者マネジメントまで
腎機能を悪化させないために行うべき治療とは
カルシウムとリンはどうコントロールするか?―CKD-MBDの概念とCKDの進行抑制における注意点
角田 隆俊
1
1東海大学医学部腎内分泌代謝内科
pp.1926-1930
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106522
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★CKD-MBDという病態は,①Ca,P,PTHなどの検査値異常,②骨の異常,③血管石灰化の3つの異常の組み合わせによって構成される.
★腎機能低下に伴いP過剰状態となるが,CKDステージ4に至るまで高P血症は出現せず,血清P濃度は正常範囲で経過することが多い.
★FGF23は軽度から中等度のCKDにおいては,P蓄積の代償機構として分泌が上昇する一方,これが早期からの1,25(OH)2D低下の原因となっている.
★一般に早期CKDにおいては,900mg/日のP制限食が推奨されている.しかし,単純な蛋白制限を行うと栄養状態に影響を与える.
★RCTで選択的ビタミンD作動薬が糖尿病患者群において容量依存性にアルブミン尿の改善をもたらすことが報告されている.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.