今月の主題 肝硬変update―より良き診療のために
肝硬変診療のトピックス
自己骨髄細胞を用いた肝修復再生療法の現状
高見 太郎
1
,
寺井 崇二
1
,
坂井田 功
1
1山口大学医学部消化器病態内科学
pp.1238-1239
発行日 2012年7月10日
Published Date 2012/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106057
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現在でも非代償性肝硬変症の根治療法は肝移植であるが,慢性的ドナー不足,手術侵襲や免疫拒絶などの諸問題は依然として解決されていない.一方,2000年にTheiseらが「男性ドナーから骨髄移植を受けた女性剖検例において,慢性炎症があった肝臓および消化管組織内にY染色体陽性細胞を確認した」と報告したことから,骨髄細胞中には多分化能を有する幹細胞が存在することが示唆された.これ以降,肝臓の再生治療・細胞療法に使用する細胞源として骨髄(幹)細胞が注目され,世界中で基礎・臨床研究が進められている1).
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