南米助産紀行
差のあるブラジル移民の生活
猿渡 清子
1
1東京医大病院産院
pp.30-31
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203465
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日系移住者が,ブラジルで果している役割は大きい.戦前南伯地域に行った移住者は,コーヒー園のコロノとして就労し,多くの苦闘を重ねて,今日の広大な耕地を所有している.現在では,戦後移住が再開され,日本人が渡伯できるようになるとともに呼寄による雇用農として,多くの人々が移住しているのである.しかし,雇用農として入植したものは,その独立過程または,入植問題などから,移動する可能性は非常に強い.雇用農の集中度は,近郊に厚く,奥地に薄い.これは奥地に入れられた戦後移住者は,現在は,すでに土地購入の自営農か,借地農になっており,この見通しが立たないものは,サンパウロ近郊または,周辺都市に移動する傾向がある.
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