書評
―田邉晃久 編―心臓突然死を予知するための―不整脈ノンインベイシブ検査
杉本 恒明
1
1関東中央病院
pp.244
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105815
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大変興味深い本が上梓された.本書は今日,日常的に行われている体表面心電図に由来する検査記録が,突然死の予知にどこまで役に立っているのか,役立ち得るのか,現状を語り,将来を展望したものである.
心臓性突然死の多くは電気的失調なのであるから,その前触れは心電図のどこかに潜んでいないだろうか,と考えるところである.第一に特異な心電図波形がある.QT延長症候群,QT短縮症候群,ブルガダ症候群などである.T波変動性(TWV)もその一つである.これらを検出するためには,各種の負荷試験が行われる.第二には,波形に秘められた微小な信号の検出がある.加算平均心電図,ウェーブレット変換解析などである.第三には,トリガーとしての自律神経機能変調がある.これには,心拍数変動性,heart rate turbulence(HRT)があり,圧受容体感受性や,ティルト試験の役割もある.
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