書評
―田邉晃久 編―心臓突然死を予知するための不整脈ノンインベイシブ検査
早川 弘一
1,2
1日本医科大学
2四谷メディカルキューブ
pp.326
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101666
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
わが国において,心臓突然死のうちで不整脈によるものは年間約2万人の多数にのぼると推定されている.それゆえ,不整脈突然死の予知は極めて重要な課題である.予知する方法として従来から用いられてきたのは,心臓内にカテーテルを挿入して行われるインベイシブな電気生理学的検査法であった.しかし,本法は経験を積んだ専門家のみしか施行できず,患者の負担も大であることが難点であった.
一方,ここ20数年来,ホルター心電図を含むノンインベイシブな心電図記録法の工夫から,不整脈突然死につながるとある程度予知できる,あるいは逆に突然死は発生しないだろうという予測が可能になりつつある.しかし現在のところ,かかるノンインベイシブな検査法を網羅したテキストは殆どなかった.ご本人自身もこの領域のパイオニアである本書の編者の前東海大学教授の田邉晃久氏は,この種のテキストの必要性を以前より主張されていたが,今回やっとそれが実現したことになる.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.