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特集 突然死をめぐって
高齢者における突然死の予知
Prediction of Sudden Cardiac Death in the Elderly
野原 隆司
1
Ryuji Nohara
1
1京都大学大学院医学研究科循環病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.637-642
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902312
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突然死とは
突然死は“予測できない内因性の死亡”と定義されるが,時間的には“瞬間死”から“1時間以内”,そして“24時間以内の死亡”までの幅がある.京都市の死亡診断書の調査によると,心臓突然死の全突然死に占める割合は24時間の定義では78%であるが,1時間になるとこれが84%にまで上昇する1).瞬間的な死になると,ほとんどの突然死は心臓性とされ,不整脈死の重要性が強調される.統計学的にみても,VFになっているケースが多く,突然死の65〜85%はVFであり,徐脈あるいは心停止が20〜30%,さらに持続性VTが7〜8%と報告される.しかし,VFが原因となる突然死の相対的占有率は分単位で変化する.4分以内だとVFが95%,心停止が1%に過ぎないのに対して,12〜15分になるとVFは71%に対し心停止は29%に増加する2)(図1).VF,あるいは低酸素状態の延長で心停止,EMD(electro-mechanical dissociation)が増加するともいえる.高齢者では,基礎疾患として虚血性心疾患の突然死に占める重要性が極めて大きい.
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