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●4月22,23日の両日,日本呼吸器学会が開催されました.東日本大震災の影響で会期は2日間に変更され,会場の東京国際フォーラムでは展示ホールなどを間仕切り,照明も落とされ,いつもと異なる印象を受けました.●演題は絞られ,緊急企画としてシンポジウム3題が追加されました.そのなかの1つ「災害時の呼吸器疾患の諸問題」では,人工呼吸器,CPAP装置を使う呼吸器疾患患者が災害に遭ったとき,医師,医療機器メーカー,患者がどう対応し,何を考えたかについて,阪神大震災,新潟中越地震,東日本大震災の経験をもとに発表されました.●「震災はまだ終わっていません」.シンポジストのお一人で,本特集に執筆,座談会に出席くださいました櫻井滋先生(岩手医科大学)の冒頭のひと言が忘れられません.被災地の惨状を示すスライドにも衝撃を受けました.睡眠呼吸障害患者を多く診ておられることから,睡眠医療科のスタッフとともに,CPAP使用者の安否と使用状況の確認,機器交換等に奔走されたそうです.医療機器の選定・使用にあたっては,災害時のメーカーの対応や患者自身の備えなど,緊急時でも使い続けられるよう,常時から多角的に考える必要があると切実に感じました.●自然災害を経験し,また弊誌で数多の疾患に触れるたびに,健康で平穏無事に暮らすことへの驚きと幸せを感じます.と同時に,リスクの高低はあるにせよ,いつ,誰に起こるかわからないという不安も抱きます.災害,疾患ともに未知な点も多く完全に防げるものではありませんが,まずは自らが考え,必要な情報を求め,備えることが大切ではないでしょうか.弊誌は内科臨床誌として診療の基本をおさえ日常の疑問に応えるとともに,救急時・緊急時に役立つ生きた情報を提供してまいりたいと思います.引き続きご愛読のほどをお願い申し上げます.
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