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編集室より
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pp.538
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105101
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●先日,睡眠呼吸障害に関する座談会を収録しました.そのなかで,「睡眠時間の短い人は高血圧,糖尿病,脂質代謝異常などの生活習慣病や肥満になりやすい」という話が印象的でした.生活習慣病の予防には食事,運動,睡眠が大切で,睡眠に関しては,時間の確保とともに良質な睡眠が必要.しかしながら日本人は睡眠を軽視しており,睡眠の重要性をぜひ認識してほしい,との内容でした.●本号の座談会「これからの臨床栄養における課題と問題点」では,治療食のみならず食事に関する話題が広く取り上げられました.食生活の変遷と疾患との関連については「子どもの食事が崩壊している.調理が簡単で外食でもよく食べられる肉類が多くなる一方,値段が高く調理が面倒であることから親が子どもに魚を食べさせなくなっている」,「食生活の基本は幼少期から.お母さんのあり方が問われている」など耳が痛い話題もあり,睡眠同様,日々の食生活の重要性も強く感じました.●食べ物は体の薬.患者さんの治す力を引き出すためにも,薬の種類とその処方を知るのと同じように,栄養と病態に応じた食事療法についても内科医に知ってほしい.また,読者の皆様がより長くよりよい診療を続けるために,ご自身の食事にも関心をもっていただくことを願っています.そして2回の座談会を通して,疾患の予防や早期発見のために「睡眠は十分にとれていますか?」,「食事は十分に摂れていますか?」の2つの質問を日常診療にぜひ取り入れていただきたいと感じました.
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