書評
―髙階經和 著―心臓病の診かた・聴きかた・話しかた―症例で学ぶ診断へのアプローチ
山科 章
1
1東京医科大学・循環器内科
pp.2236
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104958
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筆者が医学部5年生のときに勉強した医学書に,そのころ出版された医学書院のアプローチシリーズがある.髙階經和先生の『心臓病へのアプローチ』,本多虔夫先生の『神経病へのアプローチ』,天木一太先生の『血液病へのアプローチ』などである.穴埋め形式の問題を解いていくうちに,疾患や病態の理解が進むので大変に役立った.特に『心臓病へのアプローチ』は筆者が循環器を初めて勉強するきっかけになった本でもあり,その著者の髙階先生は学生の私にとって憧れであった.その後,筆者が循環器科医となり,先生の講演やセミナーで直にお話を聞く機会があり,先生の“スマートさ”に感激したことをよく覚えている.流暢な英語,豊かな表現力,論理的で理路整然として分かりやすい話の進め方など,学生のころに抱いていたイメージ通りであった.医学生あるいは医学教育関係者なら誰でも知っているシミュレーターの“イチロー”の開発者,あるいはAsian Heart Houseの開設者としても先生は世界中から注目されている.2002年に京都で開催された第26回国際内科学会でも学会場に循環器シミュレーション・ステーションを開設されたが,そのとき以来,筆者は親しくさせていただいており光栄と思っている.
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