書評
心臓病の診かた・聴きかた・話しかた―症例で学ぶ診断へのアプローチ
齋藤 宣彦
1
1聖マリアンナ医大・内科学
pp.805
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104465
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髙階先生をご存じない方には「プロ野球選手のイチロー以前に『イチロー』を開発された方です」と紹介することにしている.臨床実習開始前のOSCEを経験してきた研修医や評価者を務めたことのある指導医ならば,国内の全医科大学のスキルス・ラボに設置されている世界に冠たる心臓病患者シミュレータ「イチロー」の名を知らない人はいない.しかし実は,髙階先生はイチロー開発のずっと以前から,わが国屈指の臨床心臓病学者であるばかりでなく,尊敬すべき医学教育者として斯界ではよく知られていた.チュレーン大学医学部のProf. George E. Burchに師事されたとのこと,それを知って納得する読者も多いだろう.今回の著書は,臨床心臓病学と望ましい医学教育手法を融合させた切り口でまとめられているが,これは両方に精通した著者でなければできないことである.
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