特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
免疫学的検査
感染関連検査〈微生物の抗原・抗体検査〉
ASO,ASK
内山 聖
1
,
太田 亜里美
2
1新潟大学医歯学総合病院
2新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科
pp.412-413
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104810
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
溶血性レンサ球菌(溶連菌)は,ストレプトリジンO,ストレプトキナーゼ,デオキシリボヌクレアーゼB,ヒアルロニダーゼなどの菌体外毒素を産生する.これらの毒素はヒトに対して強い抗原性があるため,患者血中に抗体が産生される.
溶連菌にはA~G群があり,このうち臨床的に最も問題になるのはA群溶連菌である.化膿性疾患,猩紅熱,扁桃腺炎,膿痂疹などの原因になるほか,免疫学的機序により二次的にリウマチ熱や急性糸球体腎炎を続発する.溶連菌感染を臨床的かつ細菌学的に確認できなくなった時点でも,菌体外毒素に対する抗体〔ASO(antistreptolysin-O),ASK(antistreptokinase)など〕を測定すると溶連菌感染の診断ができるため,特に続発症(二次性合併症)を診断する際に有用な検査である.
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