増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
感染症関連検査
その他の微生物の抗原・抗体検査
クラミジア・トラコマティス抗原・抗体
副島 林造
1
,
宮下 修行
1
1川崎医科大学呼吸器内科
pp.574-576
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909945
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検査の目的・意義
クラミジア・トラコマティス感染症は日本や欧米をはじめ,世界的にも淋菌感染症を上まわり,最も頻度の高い性行為感染症と考えられている.本菌はヒトを自然宿主としてヒト・ヒト伝播し,封入体結膜炎やトラコーマなどの眼疾患,非淋菌性尿道炎,子宮頸管炎,骨盤内感染症,肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群),新生児封入体結膜炎・肺炎など,多彩な病気を引き起こしてくる.さらに本菌の特徴として無症候性感染例が多く,そのため男女間のピンポン感染,反復感染が起こりやすい状態にある.初感染,再感染時にはそれほど重篤でなくても,反復感染を繰り返すことにより,骨盤腹膜炎,卵管閉塞症,失明など重篤な続発症に発展することがあるため,早期診断,早期治療が重要となる.
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