特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
血中薬物濃度
免疫抑制薬
中澤 勇一
1
,
宮川 眞一
1
1信州大学医学部移植外科
pp.302-304
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104774
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免疫抑制薬血中濃度測定の臨床的意義
シクロスポリン(cyclosporine A:CyA)とタクロリムス(tacrolimus:Tac)はT細胞でのインターロイキン2(interleukin-2:IL-2)・インターフェロンγ(interferon-γ:IFN-γ)などのサイトカインの産生を抑制するカルシニューリン阻害薬に属する免疫抑制薬である.これら薬剤の投与に際しては,消化管での吸収,代謝あるいは排泄が,個体間・個体内で顕著に異なっているため,血中濃度をモニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)し,各疾患・病態ごとに設定される至適濃度を維持するように,その投与量を調節しなければならない.これら免疫抑制薬は臓器移植後の拒絶反応(拒否反応)の予防以外にも,CyAはBehçet病,再生不良性貧血,赤芽球癆,尋常性乾癬,膿疱性乾癬,乾癬性紅皮症,関節症性乾癬,全身性重症筋無力症,重症アトピー性皮膚炎,ネフローゼ症候群に,Tacは全身性重症筋無力症,関節リウマチ,ループス腎炎の治療薬として使用される.
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