特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
血中薬物濃度
免疫抑制薬
中澤 勇一
1
,
宮川 眞一
1
1信州大学医学部移植外科
pp.305-307
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101810
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免疫抑制薬血中濃度測定の臨床的意義
免疫抑制薬のうち,シクロスポリン(CyA)とタクロリムス(Tac)はT細胞でのIL-2・インターフェロンγなどのサイトカインの産生を抑制する免疫抑制剤であるが,消化管での吸収,代謝あるいは排泄が個体間・個体内で顕著に異なっているため,血中濃度をモニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)し,各疾患・病態ごとに設定される至適濃度を維持するように,その投与量を調節しなければならない薬剤である.
免疫抑制薬血中濃度測定の重要性
1. 血中濃度測定の重要性
血中濃度低下による臓器移植後の拒絶反応,移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)の発症を予防する.
過剰な血中濃度上昇による腎機能障害・中枢神経症状・高K血症・高血圧など濃度依存性副作用の出現を予防する1).
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