特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
蛋白
クリオグロブリン
松田 重三
1
1帝京短期大学ライフケア学科
pp.138-139
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104716
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
クリオグロブリン(cryoglobulin)は,正常な血漿蛋白では通常変化が生じない37℃前後以下から沈殿・凝固が生じ,37℃以上に加温すると再び溶解する(可逆性)異常蛋白である.クリオグロブリンが出現する病態をクリオグロブリン血症(cryoglobulinemia)と呼ぶ.
このような,通常の温度変化によって特異な形状変化をきたす病的蛋白を温度依存性蛋白(thermoprotein)と呼ぶ.この病的蛋白には,Bence Jones蛋白(Bence Jones protein;56℃に加温すると凝固し,さらに100℃に加熱すると溶解),パイログロブリン(pyroglobulin;56℃前後の温度領域で凝固,非可逆性)が知られる.温度依存性蛋白のほとんどは,何らかの疾患に伴って出現する病的異常蛋白である.
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