連載 アレルギー膠原病科×呼吸器内科合同カンファレンス・3
高齢者の原因不明関節炎には注意!
岡田 正人
1
,
仁多 寅彦
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(成人・小児)
2聖路加国際病院呼吸器内科
pp.1106-1109
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104506
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後期研修医 今回の症例は,73歳の女性です.半年ほど前から左足関節の腫脹と歩行時の疼痛があり,近医整形外科を受診した際には単純X線で問題なく,非ステロイド性抗炎症薬(non- steroidal anti-inflammatory drug:NSAID)の投与で経過観察となりました.その後も改善がなく,リウマトイド因子陰性で原因不明と言われたとのことで,当院のアレルギー膠原病科に紹介受診となりました.既往歴としては脂質異常症のみで,喫煙歴もなく,アルコール摂取もないとのことでした.関節炎に対してNSAIDと脂質異常症に対して数年前からスタチンを服用しています.身体所見上は,一般的な頭頸部,聴診所見などは特に問題なく,リンパ節腫脹などもありませんでした.左足関節は明らかに腫脹し発赤と熱感があり,tibiotalar joint(脛距関節)のpassiveおよびactiveな動きで疼痛が誘発されました.
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