今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた
処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review
利尿薬による低カリウム血症と代謝性アルカローシス
嶋崎 美奈子
1
,
柴垣 有吾
1
1聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
pp.1052-1054
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104495
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症例検討
症例 89歳,女性.
現病歴 40年来のインスリン依存性2型糖尿病患者で,糖尿病腎症・動脈硬化関連腎症による慢性腎臓病(CKD:血清Cr 2.0mg/dl程度)を合併.今回,意識障害を伴う低血糖および下肢浮腫(ベースより5kg超の体重増加)にて当院代謝内科に入院となった.入院第16病日,降圧薬による相対的低血圧が原因と思われるCKD急性増悪(血清Cr 2.1→3.5mg/dl)に伴い,入院時より18kg近い体重増加・高度浮腫をきたした.降圧薬減量とループ利尿薬の大幅な増量や静注を行ったところ,腎機能はベースライン近くまで回復したが,体重は20kg近く極端に減少,入院第30病日頃より意識障害をきたした.入院後のデータの経過は表1に示すとおりであった.
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