今月の主題 酸塩基・電解質―日常で出くわす異常の診かた
処方で多くみられる電解質異常―症例検討とshort review
輸液・経腸栄養による酸塩基異常
花村 菊乃
1
,
花房 規男
2
1東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
2東京大学医学部附属病院血液浄化療法部
pp.1056-1059
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104496
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症例検討
症例 72歳,男性.
現病歴 血液透析導入後1カ月の患者で,解離性大動脈瘤破裂に対する手術が行われた.術後,意識障害の遷延による経口摂取不能に対し,リーナレン®,K-4S®による経腸栄養が開始された.誤嚥性肺炎による中断を経て経腸栄養を再開,胃瘻を造設した.誤嚥予防のため,K-4S®を半固型製剤メディエフ®プッシュケアに変更したところ,同時期より高カリウム血症(K 6.2~6.5mEq/l)と代謝性アルカローシス(pH7.60,HCO3- 36.8mEq/l)の進行を認めた.透析導入時およびアルカローシス発症時(半固型製剤開始9日目)の所見を表1に示す.
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