今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常
症例・酸塩基平衡異常
甘草による低K血症と代謝性アルカローシス
洞 和彦
1
,
小山 貴之
1
1信州大学医学部附属病院人工腎臓部
pp.952-955
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907506
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【症例】79歳,女性.6年前より慢性肝炎(C型)のため漢方薬(小柴胡湯®)の投与を受けていた.半年前より小柴胡湯®に加え,グリチルリチン(甘草)の内服と週2回の強力ネオミノファーゲンC®の静注が近医で行われるようになった.その後血圧が上昇し,カルシウム拮抗剤が処方されていた.3週間ほど前より全身倦怠感,脱力感,四肢のしびれ,口渇,頻尿が出現.さらに両足のもつれ,起立障害,意識障害をきたしたため救急車で当院へ転送された.なお入院当日まで経口摂取は可能てあった.
血圧182/94mmHg,脈拍82/分,意識混濁,貧血なし,心肺異常なし,筋萎縮なし,浮腫なし,Turgor正常.
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