連載 外来診療に差をつけるコミュニケーションスキル・2
オープニング:第一印象が肝心!
菅野 圭一
1
1渋川市国民健康保険赤城北診療所
キーワード:
出迎え
,
フルネームの自己紹介
,
アイスブレイク
Keyword:
出迎え
,
フルネームの自己紹介
,
アイスブレイク
pp.1898-1902
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104151
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事例紹介:緊張気味の初診患者さん
今日は初診の担当.診察室のいすに座ったまま,「どうぞお入りください」と声をかけ最初の患者さんを呼び入れる.患者さんは,緊張した面持ちの年配の女性.すぐいすに座っていただき,カルテの名前と相違がないか確認してから,自分の名字を名乗る.やはりかなり緊張しているようで,表情も硬く,軽くうなずくだけで返事は返ってこない.
緊張をほぐして話がスムーズにできるように,「そんなに硬くなんなくっていいんダヨ」と砕けた口調で言葉をかけるが,これが逆に緊張を与えてしまったようだ.「しまった!」と思いながら,よい案も浮かばず,「さて,今日はどうしましたか?」と気を取り直して診察を開始する.しかし,患者さんから出てくる言葉は「はあ」「ええと,胸のあたりがちょっと……」と途切れ途切れで,さっぱり要領を得ない.詳しい経過を話してもらおうと,言語的コミュニケーションスキルを駆使して躍起になるが,焦れば焦るほどこちらの緊張も高まってしまい,スムーズに診察が進まなくなってしまった.
時間ばかりが過ぎていく……
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