折々の花 いとしき糖尿病教室の患者たち・5
第一印象はあてにならない
佐々木 一枝
1
1横浜中央病院糖尿病センター
pp.953
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920859
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容姿や身なりで人を評価すると,とんでもない見当違いをする.さりとて人との出会いの第一印象は,自分の視野に飛び込んでくる身なりを含むその人の姿である.とりわけ私たちナースは,病む人との出会いであるから,その人のベストの姿に最初から出会うことはない.
初冬のある朝,廊下で赴任間もない青年医師に呼び止められた.‘たった今,Hさんという患者が顔面神経痛で緊急入院したのだけれど,あなたに伝えてほしいと患者から頼まれた.患者は生活保護の独り暮らしなの?’私は心に思い当たるふしがあり,ニコッと間をおいた.
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