今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
神経
【心にのこる症例】末梢性顔面神経麻痺=ベル麻痺ではない
河合 真
1
1トヨタ記念病院総合診療科
pp.1463-1465
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104055
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末梢性顔面神経麻痺=ベル麻痺ではない
【症例】42歳,女性.顔面がしびれる.
現在妊娠19週.特に既往歴なし.2カ月前に,顔面にしびれがあると産婦人科を受診.診察では左顔面の軽度の脱力を認めた.産婦人科レジデントは神経内科レジデントに電話でコンサルトし,末梢性の顔面神経麻痺であり,おそらく軽度の「ベル麻痺」であろうと診断された.「軽度のベル麻痺であれば,自然治癒する疾患であるので経過観察でよい」との判断がなされた.このときは電話コンサルトのみであった.
その後,症状は悪化し,持続性の頭痛も伴うようになったため神経内科外来を受診した.このとき筆者は米国で神経内科レジデントをしており,たまたま外来でこの患者を診察することになった.
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