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ケース 発熱,意識障害で来院した82歳男性
現病歴 ADLは杖歩行でどうにか自立しているが,認知症がある82歳男性.3日間続く発熱と1日前からの意識レベルの低下および低血圧にて救急外来に救急車にて搬送された.患者は老人ホームに入所中である.既往歴に高血圧,高脂血症,閉塞性動脈硬化症,コントロール不良の2型糖尿病(内服薬治療のみ),心房細動,70歳時に心筋梗塞にて前下行枝にPCIを行っている.内服薬は降圧薬(ACE阻害薬),高脂血症薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬),利尿薬,アスピリン,ジゴキシン,グリメピリド.薬剤アレルギーはない.
身体所見 体温39.8℃,心拍数130/分,整,呼吸数26/分,血圧90/40 mmHg(ふだんは150/80 mmHg程度),SpO2感知せず.全身状態:かなりきつそうにみえる,頭目耳鼻喉:とくに問題なし,頸部:問題なし,項部強直なし,心臓:Ⅰ・Ⅱ音正常,雑音あり,心尖部に逆流性の収縮期雑音,胸部:両肺野に水泡音あり,腹部:平坦・軟,腫瘤なし,四肢:冷感・チアノーゼ,網状皮疹あり,浮腫はないが両足先が黒色壊死している.腰背部に褥瘡(Shea分類:Ⅳ度)あり,周囲に発赤,腫脹,熱感を伴う.
検査データ 血液所見:ヘマトクリット30%,白血球 22,000/ml(80%好中球,15%桿状球,5%リンパ球),血小板40,000/ml,血清生化学所見:ヘモグロビン7.5 g/dl,BUN/Cre 60/2.1,血糖・電解質に異常なし,CRP 25,髄液所見:白血球なし,蛋白,糖異常所見なし,胸部X線:両肺野浸潤影,尿所見:pH7,蛋白・糖(+),赤血球10~15/HPF,白血球10~20/HPF,細菌+,心エコー上明らかな疣贅はないが僧帽弁閉鎖不全あり(以前から指摘されている),腹部エコー上胆囊壁の腫脹はない,水腎症の所見はないが膀胱緊満している.
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