今月の主題 苦手感染症の克服
免疫不全と感染症
Editorial
岸本 暢将
1
1亀田総合病院リウマチ膠原病内科
pp.591
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103856
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感染症に対する宿主の防御として,重要な役割を担う免疫機能.実際,この免疫機能が障害される免疫グロブリン異常や補体欠損症などの原発性免疫不全(先天性あるいは後天性)は非常に頻度が低いが,何らかの原因による続発性免疫不全をもつ患者は日常一般医,総合内科医がよく遭遇する.“続発性免疫不全症”といっても聞き慣れない言葉かもしれない.表1のような状態により二次的に正常な免疫機能が障害された状態をもつ患者を続発性免疫不全と呼んでいる.
また,表1に挙げる状態以外にも,患者が解剖学的に正常な機能をもたない臓器をもつ場合には,さらに感染症のリスクが高まることに留意する.例えば,慢性閉塞性肺疾患,喘息,間質性肺炎などの基礎疾患をもつ患者では,正常な肺の機能が保たれていないため,さらに肺炎に罹患するリスクは高まる.表1に挙げる状態も合わせ,抗菌薬の選択も変わってくることもあるので,予防投与を行うかの決定にも重要な要素となる.
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