特集 目でみる診療基本手技
救急手技
内科医に必要な救急処置
骨折・捻挫の固定法
岩田 充永
1
1名古屋掖済会病院救命救急センター
pp.342-346
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103722
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
骨折治療というとギプス固定(Casting)と考えてしまい,内科医には敬遠されてしまいがちであるが,ギプス固定に固執する必要はない.十分な技術を習得しないままの未熟なギプス固定は,不適切肢位での固定による偽関節形成,固定後のコンパートメント症候群など,重篤な合併症をきたす原因となる.シーネ固定はギプス固定よりも歴史は古く,転位のない軽微な骨折ではギプス固定と同等以上に有効性が示されており1),ギプスと比較して組織の腫脹に対応しやすい,装着や脱着が簡便で,いざというときに対応しやすいという利点もあることから,受傷後早期の応急処置として是非身につけておきたい.
転位・脱臼のない骨折は,RICE(Rest;安静,Icing;氷冷,Compression;圧迫,Elevation;挙上),良肢位での外固定という原則を守れば,外傷に不慣れな内科医も適切な初期対応が可能である2).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.