書評
解剖学用語―改訂13版
柴田 洋三郎
1
1九州大/日本解剖学会
pp.1597
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103534
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
『解剖学用語 改訂13版』が,医学書院の全面的なご協力により出版された.この13版は,これまで『解剖学用語』として,過去12版を重ねた日本解剖学会用語集とは内容と性格を異にする.その意味では,改訂版と呼ぶのは不適切で,新版とみなすにふさわしい.
まず大きな相違点として,従来はラテン語のNomina Anatomicaに準拠して,日本語の解剖学名を定めていたのに対し,今回13版からは,国際解剖学会連合(IFAA)の用語委員会(FCAT)において編纂された英語学名とラテン語によるTerminologia Anatomica(1998, Thieme)を尊重し,日本解剖学会の解剖学用語委員会においてあらたに編集された点が挙げられる.すなわち,これまでの正式な解剖学名はラテン語という不文律にとらわれず,英語の解剖学名も同等に扱い併記した点で,画期的なものとなっている.従来,特に臨床の先生方から,英語の解剖学名が教科書によってもまちまちで困る,何とか統一できないものかという苦情を承り,苦慮していた.これからは自信を持って,本書記載の英文解剖学名をお薦めできる.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.