今月の主題 主治医として診る後期高齢者
後期高齢者における診断と治療のポイント
高齢者と集中治療―高齢者をICUで治療することの是非
金城 紀与史
1
1沖縄県立中部病院総合内科
pp.1186-1191
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103419
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ポイント
●予後が若年に比べて不良である,治療してもQOLが低い,高齢者自身は集中治療を望んでいないというエビデンスは乏しい.
●家族が本人の意向を100%反映できるとは限らないが,それでも家族の意向を尊重することを患者は望んでいる.
●高齢予後不良患者に集中治療を施さなければ医療費削減ができるというエビデンスは乏しい.
●無益(futility)という概念で,患者・家族の希望を無視して集中治療を拒絶することは問題が多い.
●致死的になりうる慢性疾患をもつ患者と事前に集中治療などについての希望を聞くことは重要である.しかし,リビングウィルが高齢者医療費削減の切り札にはならないだろう.
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