いま民間病院は
民間病院における労働組合の是非
織本 良子
1
,
柏戸 正英
2
1織本病院
2医療法人柏戸病院
pp.798-800
発行日 1979年9月1日
Published Date 1979/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206973
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
労組のレベルアップを期待する
日本人の90%が自分は中流階級であると思っているという調査は誠に興味深い.中流意識とは大なり小なりなんらかの資産を保有していることから生じる."失うべき何ものもない階級"とマルクスによって規定された労働者の階級意識は今や日本の国からあらかた消え失せてしまったかのようである.
中流意識の中では,労働階級的意識すなわち労働者の連帯感というものは必然的に薄れてゆくだろう.生活の向上,資産の蓄積は当然のこととして人間の思想を保守的にする.労働者の党である革新政党が年を追って凋落し,中道政党がバスを右寄りに乗りかえていく現象は,この国民の意識と無関係に考えるわけにはいくまい.そしてまた労働組合の消長も,この国民的な大きな波のうねりの中にあると思われる.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.