連載 患者が当院を選ぶ理由 内科診察室の患者-医師関係・3
患者は医師に何を求めているか―医師の父性性
灰本 元
1
Haimoto Hajime
1
1灰本クリニック
pp.558-562
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103284
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“しかる”と“怒る”
若い看護師が「先生は患者を“しかって”ばかりいるのに,どうして次にもちゃんと来るんだろう?」そんな疑問をつぶやいたことがある.“怒る”は攻撃的で自己中心的な感情が中心となる場合で,“しかる”は患者になんとかよくなってほしい心が患者に伝わる場合をいう.“しかる”つもりで会話が始まったのにだんだん“怒る”になってしまう場合もあるし,その逆もあるので,“しかる”と“怒る”は紙一重である.“怒れ”ば患者は来なくなるかもしれないが,“しかって”も患者はきっと次にも来るだろう.
また,当院には非常勤で男性の臨床心理士H先生がいてカウンセリングをお願いしているが,あるとき「この医院に患者がまたやって来るのは,先生が“断定する”ところにありますね.それが現代社会に合っているんです」と指摘された.
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