特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅳ.腹部
臓器からみた腹部エコー
大血管と主要分枝(腎動脈狭窄を除く)
丸上 永晃
1
,
平井 都始子
1
,
大石 元
1
1奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部
pp.325-329
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103088
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解剖と検査法
■解剖
腹部大動脈は,横隔膜を通過後腹部正中,椎体前面を足側へ走行し,臍レベルで左右総腸骨動脈に分岐する.心窩部レベルで腹腔動脈が分岐し,その直下より上腸間膜動脈,その1cm程度遠位より腎動脈が左右に分岐する.下腸間膜動脈はさらにその尾側の腹部大動脈より分岐する.腹腔動脈は,左胃動脈・脾動脈・総肝動脈の3分枝に分かれる.上腸間膜動脈は左腎静脈を越えた後,大動脈の正中やや左側を上腸間膜静脈と並んで走行する.腎動脈は多くの場合左右1本ずつであるが,複数本分岐する場合もあるので注意が必要である(図1).
両側総腸骨静脈は同名動脈分岐部の右側で合流し,下大静脈となって大動脈の右側を頭側に走行している.両側腎静脈は腎動脈の腹側を伴走し,左腎静脈では大動脈腹側を走行して下大静脈に流入する.横隔膜直下で3本の肝静脈が流入する.
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