特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅳ.腹部
臓器からみた腹部エコー
後腹膜
細田 幸司
1
,
大熊 潔
1
1慶應義塾大学病院放射線科
pp.321-324
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103087
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解剖と検査法
後腹膜腔は腹腔後壁と腹膜の間の腔であり,大きく前腎傍腔・腎周囲腔・後腎傍腔の3つの領域に分けられるとされていたが,近年は前腎筋膜,後腎筋膜,外側円錐筋膜という筋膜を中心に考え,従来の概念の3腔をつなぐ経路・空間(interfascial pathway)と考えたほうが,液体貯留・炎症の波及を考えやすいとされている(図1).
後腹膜の主な臓器として,十二指腸,膵臓,腎臓,尿管,副腎,腹部大動脈,下大静脈,交感神経幹,上行結腸,下行結腸,膀胱がある.
腹部超音波横断像では,椎体の前方に腹部大動脈と下大静脈が認められ,後腹膜病変の多くは椎体周囲に認められる.
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