今月の主題 動脈硬化のトータルマネジメント
臨床に役立つ最近のトピックス
コレステロール吸収と動脈硬化―ABCG5,8およびNPC1L1を中心に
蔵野 信
1
,
塚本 和久
1
1東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科
pp.1567-1569
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102897
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ポイント
●ステロリン1(ABCG5),ステロリン2(ABCG8)は,小腸でのステロール排泄と,肝臓から胆汁中へのステロール排泄にかかわっている.
●ABCG5,8の異常は早発性動脈硬化症を起こす疾患であるシトステロール血症を引き起こす.
●NPC1L1は小腸におけるステロール吸収に重要な役割を果たしている蛋白質である.
●NPC1L1を阻害するエゼチミブは高脂血症治療薬として用いられている.
●スタチン長期使用者,2型糖尿病患者,肥満患者においてはコレステロール吸収が亢進している.
●コレステロール吸収の亢進している患者では動脈硬化を起こしやすい,という疫学研究もある.
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