今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
動脈硬化症の成因理解のための脂質代謝
低HDLコレステロール血症と動脈硬化
山下 静也
1
1大阪大学医学部第2内科
pp.655-659
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903585
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ポイント
●低HDL血症は虚血性心疾患のみでなく,種々の動脈硬化性疾患の独立した危険因子の一つである.
●遺伝性の低HDL血症は黄色腫や早発性動脈硬化症を合併することが多い.
●Tangier病はHDLの著しい低値を示す常染色体性劣性遺伝疾患であり,オレンジ色の扁桃腫大,肝脾腫,末梢神経障害を特徴とする.
●LCAT欠損症は角膜混濁,貧血,腎障害を特徴とする常染色体性劣性遺伝疾患である.患者血清HDLコレステロールは著明に減少し,総コレステロールに対するコレステロールエステルの比は著しく低下する.
●糖尿病,甲状腺疾患,肝硬変症,慢性腎不全などの疾患,プロブコールなどの薬物でもHDLコレステロール値は低下する.
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