救急神経症候の鑑別とマネジメント(12)【最終回】
神経内科クリティカルケアのすすめ
永山 正雄
1
1東海大学医学部内科学系神経内科学
pp.2128-2132
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102326
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“動の神経学”と“静の神経学”
神経内科は,頭痛,めまい,しびれ,意識障害,痙攣などの症候,本邦の総死亡数の約15%を占める脳血管障害(脳卒中),変性・脱髄疾患,Guillain-Barré症候群や重症筋無力症,プリオン病などの難病患者さんを診療する科です.また神経系の中毒も担当し,神経内科は対象となる病気の種類,患者さんの数が最も多い科の一つです.
主に画像診断の進歩と新たな治療法の導入により,神経疾患の理解と管理は飛躍的に向上しました.しかし現在もなお多くの臨床医は神経症候・疾患の診療を苦手としています.一方,たとえ神経内科医であっても脳卒中ほかの救急状態(いわゆる動の神経学)と,諸種神経難病(静の神経学)の両面について十分な知識と関心をもち,かつ的確な全身管理ができるものはきわめて少なく,これが現在われわれが本邦への神経内科クリティカルケア(critical care neurology:CCN)の導入と体系化を押し進めているゆえんです1,2).
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