特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
腫瘍マーカー
泌尿器系
PSA(γ-Sm)
鈴木 和浩
1
1群馬大学大学院医学系研究科泌尿器病態学
pp.539-541
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101895
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
PSAとは前立腺特異抗原(prostate-specific antigen)の略であり,前立腺癌の腫瘍マーカーとして広く使用されている.γ-SMはγ-セミノプロテインの略である.PSAは前立腺上皮細胞から分泌される糖蛋白であり,血中ではアンチキモトリプシンなどの蛋白と結合しているものと,遊離しているタイプに分けられる.γ-SMは遊離型のPSAに相当していることが判明したが,現在は遊離型PSAが測定可能であり,実際にはほとんど測定されていない.
PSAは正常の男性でも血中で測定可能であるが,後述する前立腺癌患者では,癌組織周囲の微小血管の基底膜の崩壊や,細胞外器質の液状化が生じ,PSAが血中により多く流入するという報告が最近なされている.また,前立腺肥大症や急性前立腺炎などの良性疾患でも遊離型PSA優位なPSA上昇を認める.
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