特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
腫瘍マーカー
乳腺・婦人科系
SCC抗原
駒井 幹
1
,
嘉村 敏治
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.536-538
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101894
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
SCC(squamous cell carcinoma:扁平上皮癌)抗原は子宮頸部扁平上皮癌の肝転移巣から抽出・精製された分子量45,000Daの蛋白質であり,細胞外に放出されやすい酸性分画と中性分画とに分かれている.SCC抗原は正常な扁平上皮細胞(子宮頸部,腟部など)および扁平上皮癌細胞のどちらの細胞質にも存在しているが,両者のSCC抗原産生能には明らかな相違がみられる.扁平上皮癌細胞では正常細胞に比べて放出されやすい酸性分画が増加しているので扁平上皮癌において血中SCC抗原が上昇すると考えられている.この癌細胞における産生能と血中への放出の差がSCC抗原を有用な腫瘍マーカーとしている1).
検体採取と取り扱い上の注意
唾液,皮膚,汗やフケにはSCC抗原が多量に含まれているため,検体に混入すると高値となる場合があり,検体の取り扱いには注意を要する.
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