特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
腫瘍マーカー
乳腺・婦人科系
CA15-3
神野 浩光
1
,
池田 正
1
,
北島 政樹
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.534-535
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101893
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
CA15-3(carbohydrate antigen 15-3)は乳癌関連抗原であり,2種類のモノクローナル抗体115D8およびDF3により認識される.115D8はヒト乳脂肪球被膜上の糖蛋白MAM-6を,DF3は乳癌肝転移巣の細胞膜成分をそれぞれ免疫原とする抗体であり,乳癌においてはあらゆる組織型の細胞に反応することが報告されている.癌細胞から逸脱することにより血中に放出されると推定されており,体内の腫瘍量を反映している可能性がある.
原発性乳癌の場合,ほとんどの症例では陰性であり,乳癌の早期診断には役に立たない.しかし,原発性乳癌においてもstageが進むと異常値を示す割合が上昇する.さらに再発例では40%以上において異常値を示すことから術後再発の検出に役立つ.また,その再発部位により異常値を示す率は大きく変わり,リンパ節や骨転移では約30%であるのに対して,肝,胸膜などの内臓転移では約75%において異常値を示す(表1)1).
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