増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
腫瘍マーカー
乳腺・婦人科系
SCC抗原
加藤 紘
1
1山口大学医学部産科婦人科
pp.490-491
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909912
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検査の目的・意義
SCC抗原は扁平上皮癌の腫瘍マーカーである.扁平上皮癌には婦人科系領域の子宮頸癌,腔癌,外陰癌をはじめ,頭頸部癌,口腔癌,食道癌,肛門癌,肺癌,皮膚癌などがあるが,SCC抗原はこれら各扁平上皮癌の診断,腫瘍の進展度,予後,治療効果の評価,再発のモニターに利用できる.
また,最近は乾癬や天疱瘡などの特殊な皮膚疾患でもSCC抗原が増加することが明らかになった.これらは本来偽陽性として取り扱われるべきものであるが,天疱瘡などは現在なお治療が困難な難病であり,その病状追跡の指標としてのSCC抗原の意義が注目されつつある.
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