特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
微生物の抗原・抗体検査
ASO,ASK
内山 聖
1
,
内山 聡
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科小児科学分野
pp.394-395
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101842
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
溶血性連鎖球菌(溶連菌)は,ストレプトリジンO,ストレプトキナーゼ,デオキシリボヌクレアーゼB,ヒアルロニダーゼなど多くの菌体外毒素を産生する.これらの毒素はヒトに対して強い抗原性があるため,患者血中に抗体が産生される.
溶連菌にはA~G群があるが,臨床的に最も問題になるのはA群溶連菌である.化膿性疾患,猩紅熱,扁桃腺炎,膿痂疹などの原因になるほか,免疫学的機序により二次的にリウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併する.菌体外毒素に対する抗体(antistreptolysin-O:ASO,antistreptokinase:ASKなど)を測定すると,溶連菌感染を臨床的にも細菌学的にも確認できなくなった時点でも溶連菌感染の診断ができるため,ASOやASKの測定は特に二次性合併症を診断する際に有用である.
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