特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
免疫学的検査
感染症関連検査
ウイルス関連検査
ロタウイルス
藤枝 幹也
1
,
森澤 豊
1
1高知大学医学部小児思春期医学
pp.388-389
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101840
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ロタウイルス感染症の好発年齢は生後6カ月~3歳で,2~4月の冬期後半から初春にみられる.潜伏期間は1~3日で,主に糞便中ウイルスの手指や食物を介した接触で感染する.乳幼児のみならず高齢者にもみられ集団発生もみられる.経口的に感染したウイルスは小腸に達して増殖し,腸管上皮細胞は破壊され,吸収障害を引き起こして激しい下痢を生じる.絨毛小窩部の浮腫が十二指腸に拡大すると胆汁分泌が障害され,水様性白色,黄白色下痢便となる.
ロタウイルスは抗原性からA~G群に分かれ,ヒトに感染するのはA,B,C群である.構造蛋白による血清型に細分類され,嘔吐・下痢の原因としてA群の1,2,3,4,5,8,9型が多い.日本ではA群1型が最も多く,B群は中国やインドの成人例に,C群は年長児や成人での比較的小規模な集団感染例が報告されている.
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